女性とハート

女性の約10%が抱えると言われる子宮内膜症。その中に、卵巣に子宮内膜に似た組織ができてしまう、チョコレート嚢胞(のうほう)というものがあります。子宮内膜症は月経痛も酷くなる傾向があり、不妊の原因になるなど、女性の生活の質を著しく下げてしまう病気ですよね。

実は私自身も若い頃から子宮内膜症を患い、両方の卵巣にチョコレート嚢胞(のうほう)があり、片方の卵巣が腫れて5cm以上になってしまったことから両方の卵巣のチョコレート嚢胞のみを摘出する腹腔鏡下での手術(正常な卵巣の部分は残す)を受けました。

その際に、知りたかったのが手術の費用や入院、術後の回復具合など。手術するかどうかを決める上で知りたかったのですが、なかなか情報が見当たらず。手術が決まった後でも費用に関しては漠然とした不安がありました。そんなことから、今回は子宮内膜症、チョコレート嚢胞の手術(腹腔鏡下)についてリアルな体験談をまとめておこうと思います。


子宮内膜症、チョコレート嚢胞(のうほう)の手術、入院日数は!?

ハートに十字架

これは病院の方針やそれぞれの症状によっても差が出てくるとは思いますが、私の場合は8日間(7泊8日間)入院しましたね。入院前に調べると、5日間という方もいらっしゃったので、こればかりは、それぞれの状況と病因の方針で変わるかと思います。

チョコレート嚢胞(のうほう)手術のための入院、具体的にどう過ごすの!?

病因

私の例を具体的に記載すると、1日目の午後に入院し、2日目に手術、3日目~8日目まで療養という感じでした。

まず入院1日目は、午後から入院し、18時頃に術前最後となる食事(夕食)を取るのですが、なんと1時間後に浣腸をして腸をキレイにしました。これには、なんだか複雑な気持ちでした!w その後19時から朝の7時までに500mlのスポーツ飲料を2本飲むように言われ、せっせと飲みました。

入院2日目は、午前9時から手術ということで午前7時からは飲水も不可。歩いて手術室に向かったのですがものすごく緊張したのを覚えています。手術室に入ってからは、訳が分からない内に準備が進み、全身麻酔なのでいつのまにか意識はなくなり、気づいた時には手術が終わっていました。

病室に戻ってからは、痛みや吐き気(全身麻酔の副作用だそう)があったので、痛み止めと吐き気止めを点滴に入れてもらいながら、ひたすら横になっていました。この痛みや吐き気は個人差があるはずなので、さほど気にならない方も居るかもしれません。また、尿道に管を入れるので、お手洗いへも行かず横になったままですね。食事はもちろんなく、点滴の生活です。

今回、腹腔鏡手術で、開腹手術に比べると術後はとても楽だと聞いていたのですが、やはり手術。術後当日は大変だったと感じます。逆に、術後1日目からは開腹手術より断然楽で開腹が早いと実感しました。(→開腹手術経験もアリ。)

病因

入院3日目(術後1日目)は、朝から点滴やお小水(しょうすい)の管を抜き、起き上がり、歩き始めました。この時感じたのは、開腹手術に比べたら起き上がるのも歩くのも全然楽(らく)だということ。開腹手術のときは起き上がるのにあんなに大変だったのに、耐えられる痛さ(鈍痛)という感じで、歩けました。ただ、歩くペースはいつも通りとはいきませんでしたね。ゆっくり、のそのそ歩く感じ。そして、疲れやすかったですね。でも、さすが腹腔鏡手術、回復は早いなというのが個人的な印象でした。とはいっても、患者さんのご年齢や状況に応じて、回復の程度には差は出ると思います。

食事はというと、朝は点滴が入っていたので食べませんが、お昼から流動食が始まり、夜からは常食でした。

入院4日目~8日目(術後2日目~6日目)、術後2日目からは、痛み止めを飲みながらも暇を持て余す感覚が芽生え、院内を歩いたり、本を読んだりしていました。術後3日目からはシャワーの許可が出て、術後初のシャワー浴ができました。術後3日目~6日目までは、痛みがあれば痛み止めをいただいて、ひたすら歩く、食べる、シャワー浴、本を読むをしていた気がします。術後5日目に抜鈎(ばっこう)→糸ではなくホチキスの芯のようなもので傷口が留められていたので、それを取りました。

そして術後6日目の午前には、退院できました!


退院後、痛みはどう!?仕事復帰はいつできる!?

オシャレなオフィス

退院後、痛みについては鈍痛がありましたが耐えられない痛みはなく、当日から食事の準備などの最低限の家事はこなすことが出来ました。ただ、たった1週間程度の入院なのにかなり体力が低下していたので、すぐに疲れてしまい退院してから1週間程度は休み休み、自分に甘く過ごしました。でも、退院した2日目あたりから、体調が良ければ散歩に出掛けたりはしていましたが、まだ早く歩くことはできず、のそのそ歩きが基本でした。退院後2週間経った頃、ある程度早く歩けるようになりました。

また、多少の痛みがをカバーするために姿勢が良くなかったのか、退院日くらいから腰痛が出始めて、立っていたり座っていたりするのは大丈夫なのですが、横になるのが大変に。痛くて寝返り出来ないほどになり、市販の湿布薬を腰に貼ってなんとかやり過ごしました。でもそれも、退院して1週間経った頃には、痛みもどこへやらという具合になくなりました。そう考えると、腰痛も手術の影響かもしれません。

次に”仕事復帰はいつできるのか”ですが、もちろん主治医の指示に従うことが前提ですが私の場合、在宅のお仕事のため退院後4日目から仕事を再開しました。ただ、体を使われる職業の方や、動くお仕事をされている場合は、個人的には退院後1週間経ってからの方がスムーズのように思います。

入院前に調べたところ、チョコレート嚢胞の手術をされた方で事情があって退院した次の日から仕事復帰された方もいらっしゃるようでしたが、私の例を挙げると、退院してからの1週間は腰痛が出てうまく眠れずにきつかったのと、早く歩くことも出来ず、疲れやすいことから体を動かすお仕事の場合はある程度無理をしなしと厳しい印象があります。日を追うごとに良くはなっていくのですが、やはり良くなるタイミングってあるようで、1週間経つとかなり回復している感覚が出ましたね。

 

子宮内膜症、チョコレート嚢胞(のうほう)の手術費用はいくら!?実際にかかった費用とは!?

お金

先に結論から言ってしまうと、チョコレート嚢胞を摘出する手術(腹腔鏡下)でかかった費用は、医療費3割負担で約21万円弱でした。この費用の裏付けとなる入院と手術の特徴は次の通り。

  • 両側卵巣におけるチョコレート嚢胞の摘出手術(正常な卵巣部分は残す)
  • 腹腔鏡手術を選択
  • 入院は8日間、個室ではなく大部屋を利用
  • 月をまたいでの入院(月末から月初にかけて)
  • 入院前に「限度額適用証」を提示

当然ながら、この費用はあくまで1例であって、病状や入院、手術の条件、病院や個人の差(収入など)によって費用は異りますが、本来であればもう少し費用が抑えられはずだったということを退院後知ることに・・。

実際に計算したところ、本来であれば支払った費用より5~6万円少なく済んだはずでした。なぜ、損してしまったのか、それは入院日程と手術日が関係していたのです。

知らないと損をする!?入院・手術日程と費用の関係!無駄な出費を避ける方法!

限度額適用証

チョコレート嚢胞の摘出手術のように高額な医療費が予測できる場合、加入している健康保険組合に申請することで「限度額適用認定証」というものを発行してもらうことが出来ます。その「限度額適用認定証」を事前に病院窓口に提示することによって、医療費が世帯の所得区分に応じた限度額までの請求になり、窓口での負担が高額にならずに済みます。

でも、万が一「限度額適用認定証」の発行が入院までに間に合わなくても大丈夫。窓口で支払う時の負担は高額になるかもしれませんが、後日返金されます。あくまで窓口負担が軽くなる、高額な現金の持ち出しをしなくて良いというメリットがあります。

ただ、この「限度額適用認定証」の適用期間は1か月単位。ここに盲点がありました。

この”適用期間は1か月単位”に気づかなかったために損してしまったのです。どういうことかというと、私の場合、月末に入院・手術をし、退院は次の月始めでした。例えると、8月30日に入院し、31日に手術、次の月の9月6日に退院という感じ。そうすると、2か月分の合計医療費ではなく、8月分、9月分とそれぞれの月の医療費に対して限度額が適用されてしまいます。

もう少し具体的に見てみると、例えば医療費の限度額が8万円だとしましょう。月をまたがずに1か月内で入院・手術をした場合の医療費合計は22万円だったとします。そうすると、患者負担は限度額の8万円で済むことになります。つまり、1ヶ月の中で入院・手術が収まった場合の医療費は、8万円。

一方で、月をまたいで入院・手術してしまった場合、例えば8月末から9月初めまで入院したとしましょう。8月分の医療費は15万円、9月分の医療費は7万円でした。合計したら、22万円で上記の1か月以内に入院・手術をした場合の医療費と何ら変わりません。でも、限度額の適用は1か月単位のため、8月分の医療費15万円は限度額の8万円を超えることから8万円。9月分の医療費7万円は限度額の8万円に満たないことから7万円の支払いが発生します。つまり、2か月にまたいで入院・手術をした場合は合計で15万円支払うことになるのです。

上記例でいえば、同じ1回の入院なのに、月をまたぐかまたがないかで、医療費の支払いに7万円もの差が出るということになります。

このからくりにまんまと引っかかってしまったのが、私。急を要する手術ではなかった分、なぜ月をまたぐ入院にしてしまったのか、知らなかったとはいえ悔やまれます。高額医療費に対して、限度額があるというのはすごく有難いことなのですが、知らないと損をするということを身をもって体験しましたね。

もちろん病状によって、入院・手術日程は選べないことがありますが、万が一急を要さず入院・手術日程が選べる場合でなるべく無駄な出費は避けたいという方は、1か月以内に入院・手術が収まるよう調整されるのがオススメです!

以上が、「子宮内膜症、チョコレート嚢胞(卵巣嚢胞)の手術について」でした。手術と聞くと色々なことにおいて不安が募りますよね。体験談を共有することで少しでも不安の軽減に繋がれば嬉しく思います。

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